沖縄の設計事務所 カワカミ設計

私が始めて製作した模型

今回は、私の建築の原点である模型製作の思い出についてお話ししたいと思います。私が大学1年の冬休みの設計課題で初めて製作した思い出が詰まった、バルサ材で製作した築28年の木製模型です。

巨匠建築家(故人)吉村順三氏の軽井沢の山荘

写真の模型は、一度、強風時に棚から落ちてしまい開口部や手摺が壊れてしまったのを部分的に修復したものです。模型を製作した当時は共同トイレ、4.5畳一間に押し入れだけある木造ぼろアパートに住んでいました。沖縄から出てきた田舎者が初めて体験する東京の寒い冬でした。

2週間ほどかけてコタツの上で寒さをしのぎながらこの模型を製作したのです。

製作も中盤にさしかかったある真夜中に眠たくなって、ついついコタツでそのまま寝てしまい、なぜだか人に押えつけられる悪夢を見ました。コタツの中で思い切り夢の人物をひざで蹴り上げた瞬間にコタツの天板ごと、切り刻んだ模型の材料が私におおいかぶさり、部屋の中は模型の切りくずと材料が散乱。拾い集めるのに一苦労をし、おかげで真夜中に部屋の掃除をする羽目になりました。今でも思い出すだけで苦笑してしまう懐かしい思い出のある模型なのです。

巨匠建築家(故人)吉村順三氏の軽井沢の山荘
巨匠建築家(故人)吉村順三氏の軽井沢の山荘

紙やスチレンボードのように簡単に製作できる模型とは違い、木材で製作する模型は、格段に手間が掛かります。いまだこの方、この模型以上の精度の高い模型は作ったことはありません。この後の設計の授業では、この山荘の20分の1の断面内観パース(外部の添景をふくめた鉛筆描写)のスケッチも描かされました。建築の基礎的な感性や技術を学ぶための最高の教材と密度の高い授業をさせていただいた学生時代の恩師の先生方には、いたく感謝する次第なのであります。

実は、この模型は日本を代表する巨匠建築家(故人)吉村順三氏の軽井沢の山荘です。1962年に建てられ現在でも多くの建築家から愛され高い評価を得ている名作小住宅です。

私は幸いにも模型を製作する前の年の夏に軽井沢にある学生寮に合宿する機会に恵まれ、この山荘を見みることができました。(外観のみの見学)その時の感動はいまでも色あせず深く記憶に残っています。森の中に自然と溶け込むその姿は実に美しく見る者を魅了し感動させてくれます。

巨匠建築家(故人)吉村順三氏の軽井沢の山荘

興味のあるかたはGoogleにて「吉村順三 軽井沢の山荘」とキーワード入力し検索すると外観写真をみることのできるサイトがいくつかみつかりますので、ご覧になって見て下さい。。